知念実希人「祈りのカルテ」読書感想‐5つの短編医療ミステリー

研修医・諏訪野良太が研修中に出会った患者には、謎がありました。

「祈りのカルテ」は諏訪野良太が研修で回った、精神科、外科、皮膚科、小児科、循環器内科での5つのお話からなる連作短編集です。

それぞれの科ごとに1つの短編になっているので、読書に慣れてなくても読みやすくおすすめです。

※Kis-My-Ft2玉森裕太くん主演でドラマ化。
2022年10月期スタートの日本テレビ土曜ドラマで「祈りのカルテ研修医の謎解き診察記録」というタイトルです。

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1.祈りのカルテ・作品紹介


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作者は知念実希人さん。

「祈りのカルテ」は、2018年に単行本が、2021年文庫本が発行されています。出版社はKADOKAWA。

知念実希人さんの著作はほかに「仮面病棟」「ひとつむぎの手」など。

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2.祈りのカルテ・あらすじ

純正会医科大学付属病院で初期臨床研修を行っている諏訪野良太は、研修でさまざまな科を回っていました。

担当医の指導の元で診察を行いますが、担当患者にはそれぞれ不可解なところが。

諏訪野は診療にあたりながら、その不可解な点を探っていきます。

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3.祈りのカルテ・登場人物(諏訪野が出会う患者たち)

〇山野瑠香(精神科)
自分で睡眠薬を服用し、自ら救急車を呼んで病院にくる。
定期的にやってくる、お馴染みの患者となっている。
短編タイトル「彼女が瞳を閉じる理由」

〇近藤玄三(外科)
胃がん患者。内視鏡での手術を頑なに拒む。
短編タイトル「悪性の境界線」

〇守屋春香(皮膚科)
右下腿の裏側に火傷を負い、搬送されてくるが、火傷の状況に不可解なところがあった。
短編タイトル「冷めない傷痕」

〇姫井姫子(小児科)
喘息の発作で搬送され入院することに。
症状が落ち着き、もう発作が起きないと安心したところに、なぜか発作が起きる。
短編タイトル「シンデレラの吐息」

四十住あいずみ絵里(循環器内科)
特別病棟に入院する特発性拡張型心筋症の患者。
短編タイトル「胸に嘘を秘めて」

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4.祈りのカルテ・感想(ネタバレを含む)

「祈りのカルテ」は謎解きの部分がありつつ、その陰に人間ドラマがあるお話です。

諏訪野は人当たりがよく、先輩医師からも、患者からも評判がよい研修医です。
そして良くも悪くも、人の心の動きを敏感に感じとる能力があります。

頑なになる患者たちにもあきらめずに向き合い、心の奥に隠した悩みに気づきます。
患者たちが抱えていた悩みが解決される様子に、心が和みました。

諏訪野には謎を解くカギはこれでは?と仮説をたてるひらめき力と、仮説を検証する行動力があります。
患者の悩みを解決しようと、一生懸命行動する諏訪野がとても素敵でした。

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