青山美智子「猫のお告げは樹の下で」の感想文‐気づきがもたらす変化

雑居ビル脇道の奥にある神社で出会った不思議な猫。

「猫のお告げは樹の下で」は、不思議な猫・ミクジからの「お告げ」をきっかけに、新たな気づきを得る7人のお話です。

こんな方におすすめ
・気分転換したい。
・前向きになれる本が読みたい。
・自分を見つめ直したい。
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1.「猫のお告げは樹の下で」作品紹介


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作者は青山美智子さん。

「猫のお告げは樹の下で」は、宝島社より2018年に単行本が発売され、2020年に文庫化されています。

青山美智子さんの著作はほかに「お探し物は図書室まで」「鎌倉うずまき案内所」など。

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2.「猫のお告げは樹の下で」あらすじ

偶然だったり、目的があったりで神社を訪れた7人。

神社には、タラヨウの樹がありました。
タラヨウの葉は引っかいた部分が茶色くなり、文字を書くことができます。
切手を貼れば郵送することもできるため、「ハガキの木」とよばれることも。

7人は神社で、猫のミクジと出会い「お告げ」を受け、生き方のヒントを見つけていきます。
不思議な猫に出会い、戸惑ってる7人をサポートしてくれるのが神社の宮司さん。

ミクジ
全体的に見ると黒いが、おなかと足の部分が白い猫。
顔は、額から首元までの部分が白くなっている。
ミクジが落とすタラヨウの葉には「お告げ」の文字が書かれている。

宮司さん
親の跡を継いで、この神社の宮司に。
ミクジの存在を知っており、7人に「お告げ」のことを教えたり、助言をしたりします。

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3.ミクジのお告げを受けた7人

〇失恋が忘れられない美容師のミハル
お告げは「ニシムキ」

〇中学生の娘との関係に不安がある耕介
お告げは「チケット」

〇自分で決めることが怖い
お告げは「ポイント」

〇嫁の君枝との暮らしが不満の
お告げは「タネマキ」

〇転校先での学校生活に悩みを抱える和也
お告げは「マンナカ」

〇マンガ家になる夢が捨てられない千咲
お告げは「スペース」

〇自分の仕事が人にどう受け取られるかに悩む笑子
お告げは「タマタマ」

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4.「猫のお告げは樹の下で」感想

神社を訪れた7人は、ミクジのお告げをきっかけに、悩みを乗り越えるための気づきを得ます。

〇〇だろう

いつしか相手に対して、自分に対して、それが真実とは限らないのに思い込んでしまうことがあると思います。

誰かのことを、こういう人だと思い込んで、うらやましく思ったり、イヤになったりする。
自分の思いたいようにその人の行動の意味づけをしてしまう。

そのせいで自分で問題を作りだしてしまうことさえあります。

誰しも好きで思い込みはしませんが、見方の変えることの影響の大きさを実感しました。

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5.印象に残った言葉

「おまえにもあるよ。慎にしかできないことって考えたらしんどいかもしれない。だけど、慎だからできるんだってことが、きっとある」

慎が、バイト仲間の竜三さんにもらった言葉。

「自分にしかできないこと」を探そうとすると、ハードルが高く苦しいけれど、「自分だからできること」なら、そこまで自分に厳しくならずにすみ、探せそうな気がしました。

「すべては、今からです」

千咲が、宮司さんにかけてもらった言葉。

生きているとだんだん「もう遅いんじゃないか」と不安になることがあるけれど、宮司さんの言葉で今からでも頑張ろうと思えました。

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