「自分が本当に望んでいることは何か?」
自分でも、本当にやりたいことが分からなかったり、分かっていても出来なかったりすることがあります。
「ただいま神様当番」は、自分の本当の望みを考えるきっかけになる本です。
前向きな気持ちになれる本を読みたい方におすすめです。
1.「ただいま神様当番」本の紹介
青山美智子さん著
「ただいま神様当番」は2020年に宝島社から発行されました。
青山美智子さんが書いた本はほかに 「鎌倉うずまき案内所」「お探し物は図書室まで」があります。
2.「ただいま神様当番」あらすじ
通勤通学で「坂下」バス停を利用する5人。
「いつものメンバーだな~」くらいの顔見知りの5人ですが、ある朝急に「神様当番」に任命されます。
左腕にがっつり「神様当番」と書かれ、「神様」と名乗るお爺さんの願いを叶えないと、その文字が消えないということに。
しかもお爺さんは小さい勾玉みたいになり左腕に入ってきて、一緒に行動します。
果たして5人はお爺さんの願いを叶え、無事当番を終えられるのでしょうか。
3.「ただいま神様当番」5人の主人公
「坂下」バス停で7時23分発のバスを待つ5人
〇水原咲良
印刷会社でOLをしている。人気アイドルグループ「キュービック」のファン。
楽しくない日々を過ごし、自分にもいつか楽しいことが来ないか待つ。
〇松坂千帆
あまりしっかりしていない弟の勝に不満をもつ小学生。ピアノ教室に通う。
〇新島直樹
リア充に憧れる高校生。飼い猫の「オクラ」の写真をツイートしている。
いつもツイートに「いいね」をくれるアザミのことが気になる。
〇リチャード・ブランソン
大学非常勤講師で英語の授業を受け持っている。イギリス出身。
なかなか学生に授業を聞いてもらえず悩む。
〇福永武志
小さな会社の社長をしている。周りに厳しめ。
4.感想(ネタバレを含む)
自分の望みどおりのことをやれたら幸せですが、自分でもやりたいことが分からなくなってしまうことがある。
自分の本心に気がついたことで、不満に思っていた日常が明るくなるという青山美智子さんらしい物語でした。
「この人はこう思っているに違いない」など、いつしか生まれている思い込み。
その思い込みを見直すことで、相手の良さ、自分の至らない部分を発見する、学べる内容になっています。
印象に残った話
5つの物語の中で、水原咲良の話が特に印象に残りました。
楽しいことが自分に起きるのを待っていた咲良ですが、このまま待つだけでなく自分から楽しいことを見つけようと行動を変えます。
楽しいことが向こうからやってくることを待っている部分が私にもあるなと。
同じ出来事でも、つまらなく捉えるのも、楽しく捉えるのも自分次第なんですよね。
素敵だったシーン
バスにのっている途中、咲良は神様に左手のコントロールされ、優先席に座っていたおじさんを立ち上がらせます。
おじさんは初めは怒りますが、自分が悪かったと謝罪し、気づかせてくれたことにお礼を言います。
私だったら謝れるかな?恥ずかしくて謝れないかもしれない。
「気がつかなかっただけなのに」とか思ってしまいそうだなとちょっと怖くもなりました。
謝るところで謝れるおじさん素敵でした。
このおじさんの行動だけでなく、本を通して「素直さ」が大事だと気づかされます。
素直に相手の言葉を受け止めること、素直に自分の行動を見つめ直すことで今まで見えなかったことが見えるようになります。
素直に自分の行動や考えを変えるのは難しいですが、主人公たちのように柔軟に今までのやり方を変えていきたいと思いました。
コメント