八木沢里志「純喫茶トルンカ」読書感想‐穏やかな雰囲気が漂う喫茶店

落ち着ける喫茶店は居心地のよい場所。

コーヒーを飲むだけでなく、ゆったりとした時間を過ごすために喫茶店を利用する方もいるのではないでしょうか?

純喫茶トルンカは、東京の下町にある隠れ家的喫茶店。
この本は、トルンカを舞台に「再会」をした人々のお話です。人の優しさ、温かさに触れる内容になっています。

優しい雰囲気の本を読みたい、ちょっと一息つきたい方におすすめです。

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1.純喫茶トルンカ・作品内容

 

作者は八木沢里志さん。

「純喫茶トルンカ」は、徳間書店から2013年に発行されました。

八木沢里志さんの著書はほかに「森崎書店の日々」など。

「純喫茶トルンカ」の続編「しあわせの香り:純喫茶トルンカ」も発行されています。

1-1.登場人物:「純喫茶トルンカ」の人々

〇立花勲
純喫茶トルンカのマスター。怖い見た目に反し、内面はおだやか。

〇立花雫
勲の子どもで高校生。人懐っこく世話好きなトルンカの看板娘。

〇奥山修一
アルバイトの大学生。大学入学を機に上京してきた。

〇本庄絢子
近所に住むトルンカの常連客。世の中の格言を集めていて、状況にあった格言を口にする。

1-2.純喫茶トルンカの構成

「純喫茶トルンカ」は3つの短編集です。
どれも「再会」がテーマになっています。

〇修一と前世で一緒だったという女性が登場する「日曜のバレリーナ」

〇後悔を抱えながらトルンカを訪れたヒロさんの話「再会の街」

〇雫が荻野さんという人物と再会したところからはじまる「恋の雫」

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2.純喫茶トルンカ・感想(ネタバレを含む)

下町の知る人ぞ知る喫茶店を舞台に3つの再会が描かれている小説「純喫茶トルンカ」

出会いをきっかけに、自分がこれまで避けていたことに向き合い、新しい一歩を踏み出していく温もりある内容です。

後悔していることや、過去の悲しみは、どこかで心に影響を与え続けてしまいます。
過去の影響に引きずられ続けると、後ろ向きになったり、新しいことをするのが怖くなってしまったり。

「再会の街」のヒロさんは、大きな後悔を抱え苦しい日々を送っていましたが、トルンカにいる人々との交流で、自分の人生について考え直します。

相手を信じて心を開くこと、周りの声に耳を傾けることの大切さを知る、光が差し込むような温かい本でした。

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